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執筆者の写真秋山善久

 いつの頃からか、急に読書量が減ってしまったような気がします。ちまたで言われているように、スマホとかパソコンが影響しているのかもしれません。これではけないと、今年の初めに自分でノルマを課したのですが、それがなかなか守れない。図書館から借りてきた本が、未読のまま今も机に積みあがっています。せめて信仰書だけはと思うものの、これも読みかけのままになっているのは、理解力が相当減退して読書のスピードが落ちたからなのでしょう。だめだ。だめだめ。筋トレなどよりも、こちらを訓練して取り戻したい。

 昨日、日本聖書教会理事である石田学師の講演会があって、聞きに行ってきました。実は仙台市内にはキリスト教書店が3店あったのですが、既に2つの店が撤退し、残る一つも苦境にあえいでいます。そのような実情の中で、キリスト教書店の意味を考え直そうということで、この講演が企画され開かれたのです。講演の中で石田師は、中世期に修道院に蓄えられていた本が、次の時代を拓くために如何に重要な役割を果たしたかということを触れられました。そのような意味での本との出会いが、今日でも求められるのではないかということです。

 自分の人生を振り返ってみると、一冊の本との出会いが人生を変えてきたのでした。二十歳の頃、キリスト教に反発していた私は、あるとき、亀井勝一郎の「読書論」を読んだのでした。そこには「日本人の中には自分は無神論者だといっている者がいるけれど、実際には彼らは無神論が何かをわかっていない。彼らは神について無関心なだけである」というようなことが書いてありました。それは自分の姿でもあることに気付かされたのでした。そして聖書について自分は全く無知であると自覚されたのです。その恥ずかしさが、キリストとの出会いとなりました。

執筆者の写真秋山善久

 沖縄の友人から電話がかかってきて、キャンプの準備をしていると楽しそうに話してくれました。「夏は暑すぎるし、蚊が多いからキャンプには全く不向きだからねえ」とのこと。うらやましいと言っていいのか、どうか。何にせよ、いつの時代どこにあっても困難さはつきまとうものだと思わされました。

 多くの場合、そうした困難さへの向き合い方が、人生の方向性を決めていくのだと思います。壁があるから前に進めないと言ってしまうば、そこから動くことはないでしょう。申命記1章6節に「あなたがたはこの山に十分長くとどまった。あなたがたは向きを変えて出発せよ」とあります。私たちの教会が、今年の年間聖句としているものです。

 イスラエルの民が約束の地を目前にして立ち塞がった壁は、そこにエジプトを脱出してから経験したことのない強い民族が住んでいるという事実でした。そのことが神とイスラエルの間に結ばれた契約を見えなくしたのです。そして38年間、民はカデシ・バルネアに留まったままでした。私たちの教会が現在の地に移って20年の月日が経ちました。そこでどれだけ前進できたかと自省しています。そして今、神の約束をどう受け止めるか。信仰によってこれまでになく前に進みたいと思っています。


執筆者の写真秋山善久

 昨年末、新型コロナウィルスとインフルエンザのダブルパンチが心配されました。1月頃にそのピークが来るのではないかということで、私も5回目の接種とインフルエンザの予防接種を受けたのでした。その効果なのかどうか、感謝なことに私自身はこれまでコロナにもインフルエンザにも感染することなく日を過ごさせていただいています。ただし、全国的にみると、このところ高齢者の死亡者数が増えていることが気になります。知り合いの中には、ワクチンを接種しないで感染し、大変な目にあったという人がいます。一方には、ワクチンに疑問をもって接種を受けていない健康な友人もいます。議論をしてみると、反対の人とはどこまで行っても平行線。さすれば接種率は、今後、一定数に固定するかも。人口の一定以上の人が免疫を持つと、感染者が出ても他の人にうつし憎くなる。これが集団免疫と言われるもので、国の政策もこうした考えを基本に据えているようです。これもウィルスが変異して免疫をスルーしたらどうなるか。そのときには元の木阿弥ということでしょうか。あまり考えたくないことですが、そんな絶望的な状況が発生したとしても、きっと抜け出ることができるに違いない。それが人間に与えられた知恵であり、体の中に仕組まれた機能であると考えている方が多いのではないでしょうか。きっとそうでしょうけれども、門外漢の者が言うのもおかしいのですが、そろそろそこにある壁を乗り越えるべきではないかと思わされるのです。自然界に備わった免疫という仕組みが偶然に出来上がったという考え方。その人間の作った壁が何かを見えなくしているのではないかと。

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